国語教育の歴史を鑑みると、そこには現在にもつながるさまざまな問題があります。歴史を歴史として整理するだけでなく、これからの教育に活かす文化としてとらえる必要があると思い、国語教育の歴史研究をしていくことで、国語教育の本質を捉えることを目的として1999年3月20日に国語教育研究会は発足いたしました。その後例会を17回開催し、回を重ねるごとに研究発表内容も充実しましたので、2001年1月20日に学会としてより充実した研究活動を目指して国語教育史学会と名称を変更しました。
さまざまな教育主義が適用される国語教育界において、一つの方法や見識に囚われることなく、広く学問として研究を位置付けるために、発表と協議によってお互いの認識を深めていくのが会の目的です。発表の討議についても、質疑応答だけではなく、発表者の今後の研究に関する方向性や、情報提供、そして問題点の掘り起こしなど、お互いに意見を出してあって研究内容を深めていくことをします。研究者が一人で研究し、その発表のみの場を提供するのではなく、研究内容によってお互いの研究意識を喚起し、そこから新たな研究へと発展させるための発表・討議です。研究者のみならず実践者の意見など、さまざまな話し合いができるよう、学会に参加する資格は問いません。どなたでも参加できます。
その中心の活動が例会です。例会は年6回以上開催し、「研究」と「資料紹介」との区分で発表を行います。本会では「資料紹介」も研究として捉えています。また、その成果として研究紀要を発行いたします。紀要は複数名による査読制をとり、学術論文誌として刊行します。国語教育史学会はその成果を例会、大会、紀要、ホームページなど多くのメディアで公開していきます。
国語教育史の研究と、研究資料の保存、その二つを柱として活動していきます。
・例会は会員でなくても誰でも参加できます。
・会員は例会の案内の送付や、研究紀要の割引購入などの利点があります。
・会員は当日無料で参加できます。会員以外の方は、資料代として1回500円の資料代をお願いいたします。
・発表者を募集いたします。内容は、「研究」と「資料紹介」です。詳細は事務局までお問い合わせ下さい。
・例会の案内をメール(メーリングリストを利用)で送付するサービスがあります。これは、会員にならなくても、どなたでも申し込めます。
国語教育史学会は昭和30年代にもありました。本会は昭和30年代の国語教育史学会とは別であり、継承関係もありません。しかし、昭和30年代の国語教育史学会をないがしろにするものではありません。なお、昭和30年代の国語教育史学会は西原慶一、石井庄司、志波末吉、渋谷宗光、高橋和夫、田中豊太郎、飛田隆、藤井信男、古田拡、渡辺茂、岩島公などを中心として活動した会です。